ラン栽培において、特にプロの経営において、花のシミの問題は重大な問題である。
花保ちの問題と共に重要な問題で、冬の期間の潅水、温度管理に細心の注意を払ってきた。

ランの自生地では、多くのランは乾期の中ごろから終わり咲く。
この時期は、自生地では昼夜の温度較差が大きいから夜露、深い霧が発生する。
しかし、この条件でも自生地では「シミ」はない。

ところが、温室内で自生地の温度較差をすれば、温室内は多湿になり
灰色カビ病などが発生してシミが大発生する。
このシミの問題は、ランの切花栽培において大問題である。
特に石油の高騰はコストの上昇で、低温栽培をしなければ経営できないという問題も出てくる。
温度較差とシミ。

温室栽培では、自生地のような温度較差には出来ない。
そのように思われてきたし、事実、自生地の大きな温度較差では全滅という事態にもなった。


ところが、SUGOI-neで栽培すると・・・・・・
これまでシミが出て・・・・ダメという品種が・・・・全然シミが出ない・・・・という事実が出てきた。
ほとんどのラン、品種において、このことが実証されたのである。

これは何を意味するのか????

花の細胞。
 この問題である。
 細胞の質が・・・・自生地のランの細胞と大きく異なるからである。
 病害菌の攻撃に対する防御組織、機能が弱い。
 多湿による細胞の傷みも、細胞の質の問題である。
 花の細胞のセルロース、リグニン、ペクチンは光合成で作られる澱粉から作られる。
 水ゴケ、バーク、軽石・・などでの栽培は、多くの場合充分な光合成が行なわれていない。
 特に休眠期、生育停止期に花芽が徐々に成長する品種では、
 極端な乾燥から、葉による光合成は極度に減少する。
 この少ない光合成で作られる澱粉は限られているから、花弁の細胞を強健に出来ない。
 バルブの養分を補充しても、足りない。
 その結果、花の大きさはあっても、重量がない。
 脆弱なひ弱い花弁の質になっている。
 花弁の防御組織が脆弱だから、簡単にボトリチス菌の侵入を古してしまう。
 SUGOI-neによる炭素循環栽培では、極端な乾燥はさせないから、
 蕾が形形成されるとき、ラン菌がSUGOI-neを分解して充分な糖が供給される。
 堅牢な花弁が出来上がる。
 自生地再現の花弁である。
 花の重さが、水ゴケのものと雲泥の違いが出てくる。

 自生地における霧、夜露による多湿、花弁への結露は当然である。
 この湿度で、大切な子孫を残すという使命を持った「生殖器」が、
 簡単にダメになるような・・・進化はない。
 そんなに弱い「生殖器」なら、子孫を残せないからである!!

 このように考えると、私たちのこれまでのラン栽培に決定的な欠陥があると考えるのが妥当である。
 花のシミを考えると、ほとんどは開花時の温室の条件、潅水を第一に考えるが、
 そんなことでは解決しない場合が多い。
 ならば、それ以前の時期に、他の条件に問題があるということになる。
  花の細胞に影響するものは何か。
  
   1 ラン菌。
   2 コンポスト
   3 花芽分化時の環境 温度、光、養分、
   4 根の状態

 妊娠中の株の栄養状態が花の細胞に大きく影響している。

  細胞の原形質膜。
  細胞膜。
  細胞を保護すペクチン。
  これらは炭素化合物・・・・セルロース、リグニン。
  これを作るのは光合成である。
  これが十分に行われていれば問題はナイのであるが・・・・
  ランは独立自養植物ではない・・・と考えれば、シミの説明がつく。
  葉の光合成のみの炭水化物では足りない。
  この場合堅牢な細胞は作れないことになる。
  この場面でコンポストの問題が浮上する。

 宇井清太はこのホームページで何回も何回もラン菌による「炭素循環」を書いてきた。
 ラン菌のみが植物の死骸、枯れ葉のセルロース、リグニン、ペクチンを分解して、
 低分子の糖を作り、ランに供給できるのである。
 ところが、水ゴケ、バーク、軽石にはラン菌も居ないから、当然糖を作れない。
 年中エネルギーが足りない。
 こういう状態で花芽を作り、花弁を作らなければならない。
 当然・・・健全な生殖器ではない!!

 ランは花を観賞するから、実の稔る健全な生殖器ということを考えない。
 同じ花でも、リンゴ、さくらんぼ、キウリ、トマト、メロン栽培なら、
 簡単花にシミが出るような花なら・・・果実は成らない。
 収穫皆無になる。
 つまり、自生地におけるランの花は、種子を稔らせるための花である!!
 花ではなくて「生殖器」である!!

 SUGOI-neにはラン菌が居るから、SUGOI-neの花は自生地と同じく「生殖器」である。
 宇井清太はCymbidiumの育種家である。
 だから、宇井清太のCymbidiumの花は・・・・単なる花ではない。
 宇井清太のCymbidiumの花は・・・種子を結ぶ「生殖器」である。
 だから、宇井清太の蘭展に皆さん感動してくれる。
 命の輝きがあるからである!!
 種子が稔るような展示会場にしている!!

 東京ドームの蘭展とは・・・・ここが根本的に違うのである。
 宇井清太の蘭展は2月中旬から5月上旬までの約90日間。
 この長期間の蘭展を行えるのは、ただ単にCymbidiumが花保ちするからではない。
 SUGOI−ne栽培の精華である。
 1500坪、宇井清太が一人で管理潅水しながら約10万人の入場者を相手にしている。
 当然、約10万鉢の潅水をベストには出来ない。
 自動潅水に頼らなければならない。
 それでも・・・・90日咲き続けた花にもシミは出ない!!
 SUGOI−ne栽培以前は・・・・こういう潅水は不可能であった。
 シミの心配がなく、安心して花を濡らす潅水が出来る。
 ボトリチスの胞子・・・・発芽。
 こういう心配がなくなった。
 ボトリチス菌から詳細のこと・・・なぜ・・・・聞いてみなければならないが・・・・
 少なくとも、SUGOI−neで植えると、花びらの細胞を保護する・・・防御が堅牢になると想像している。
 ランは虫媒花。
 虫が何時訪れてくれるか解からない!!!
 ランの花が長期間咲きつづけるのは、長ければ・・・受粉の機会がその分多くなるからである。
 月下美人が夜咲いて朝にはしぼむのは・・・・開花したとたんにコオモリが飛んできてSEXするからである。
 ランはそういう進化をしなかった。
 ランの中にも「香り」というフェロモンを出して虫をおびきよせるものもあるが、
 そういうランの花は・・・概して短命である。
 自然界では、以上のように、簡単にシミが出るようでは、生殖器として失格である!!
 夜霧、朝露でシミなど出ないのである。
 ランの花のほとんどは・・・・深い夜霧、朝霧の中に咲きつづける。
 それでもシミが出ない花になっている!!
 この花は・・・なぜ作られるか????
 「ラン菌」との共生で作られる!
 こう考えれば・・・・シミの謎が・・・・説明付く!
 ラン菌のいないコンポスト水ゴケ、バーク、軽石栽培での・・・・シミの問題は、説明がつくのである。



続く  工事中
 

  SUGOI-ne基礎講座
   
                  花のシミについて
         
                    SUGOI-ne栽培・・・花にシミが出ない。
                                                       宇井清太
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